
こんにちは、プロダクトマネージャーの山口です。 2018年にアクセルラボに入社して以来早いもので7年が経ちました。その間、私は弊社の主力スマートホームプロダクトであるSpaceCoreの初期の頃から携わり、その成長と進化を間近で感じてきました。
プロダクトの成長に伴い、組織の体制やプロダクトが注力すべき開発内容は、その時々によって変化します。今回は、各フェーズにおいて私たちがいかに優先順位を決定しながらプロダクトを成長させてきたかについてお話ししたいと思います。
SpaceCore誕生まで
SpaceCoreは、元々別のプロダクト名称でサービスを開始しました。 当時は他社製のスマートホームエンジンやコミュニケーションシステムを組み合わせたもので、ある意味「チグハグながらも、どうにか最初のプロダクトとして市場に投入する」ということに全力を注いでいました。日本において「スマートホーム」という言葉がまだ浸透していない黎明期であり、まさに手探りの状態からのスタートでした。
幸いなことに、初期からプロダクトを支えてくださった数社のお客様がいらっしゃいました。しかし、ローンチ当初はバグや考慮不足な機能も多々あり、私たちはまず、既存のお客様が順調に導入・活用できる環境を構築することに注力しました。お客様との密な対話を通じて課題を抽出し、それらの機能修正や改修を愚直に進めることが、最優先事項でした。
サービス安定化/アーキテクチャー刷新の投資との狭間で
一方で、既存顧客への対応だけでは持続的な事業成長は望めません。新規顧客の獲得、そして新たな市場の開拓のためには、抜本的なプロダクトプラットフォームの見直しが不可欠です。ここで大きな投資=アーキテクチャー刷新を意思決定したことが現在のSpaceCore誕生につながります。このフェーズでの私たちの最重要課題は以下の二点でした。
- 既存顧客の要望を愚直に機能に反映し、満足度を高めること
- 幅広い市場に受け入れてもらうためのアーキテクチャを抜本的に見直し、将来的なスケーラビリティを確保すること
アーキテクチャ刷新時には、どうしても顧客要望や新規機能の開発を並行して進めることができない場面も多々ありお客様にアーキテクチャー刷新まで要望をプロダクトに反映するまでお待ちいただくこともありました。 お客様には今後のプロダクトの将来性などをできるだけ丁寧に説明して回ることも必要不可欠でした。
スマートホームの認知が広まらず、壁を感じていた時期の苦悩と優先順位
アーキテクチャーも刷新し、SpaceCoreをローンチし広く市場に展開しようとしましたが、日本のスマートホーム市場は依然として「キャズムの谷」を越えられずにいる時期が続きました。この時期は、すでに導入いただいているお客様だけでなく、新規導入を検討しているお客様、そして社内のセールス・マーケティング、初期設置導入担当、サポート担当、QA担当など、様々なステークホルダーから数多くの要望がプロダクト開発に寄せられました。
これらの多岐にわたる要望に対し、私たちは要望を一元管理し、「誰がどのような利益を享受できるのか」「その貢献はどれほどのインパクトがあるのか」といった点を明確にすることから始めました。そして、ICEスコアリングに近いモデルを用いて社内で議論を重ね、優先順位を可視化し、優先度の高い順に対応していく方針を取りました。こちらの要望に対応すると、あちらのステークホルダーの要望は一時お預けになってそこからの不満が噴出。など プロダクト開発現場に「あるある」な状況は続いてたものの、ある程度意思決定プロセスに沿って社内で合意をとって進められるようになってきた時期になります。
この優先順位の可視化は非常に役立ちましたが、同時に課題も浮き彫りになりました。例えば、スマートホームアプリのUI/UX刷新のような、「要望として直接声が上がりにくい(主にエンドユーザーからの声となるため)」かつ「緊急度が低い」と判断されがちな重要な項目の開発が、なかなか着手できない事態に陥ってしまうことも多々ありました。

プロダクトグロースへ:多角的な優先順位付けとチーム体制の進化
最近になってようやく、スマートホームが徐々に市場に浸透してきたことを肌で感じるようになりました。このフェーズに入り、私たちは「緊急度が低くても、長期的な視点で見た時に重要なものが後回しにならないようにする」という課題に対し、組織的な解決策を講じました。開発チーム全体の規模が大きくなってきたことも、この取り組みの要因の一つです。
現在のチーム体制については、以前ナカジマのブログ記事で紹介しています。今後も成長に伴い、開発体制や優先順位、またプロダクト開発への投資方針なども変化していくことでしょう。
ナカジマのブログ記事はこちら tech.accel-lab.com
まだ以前としてキャズムを越えるまでにはいくつかのハードルもあると思いますが、このような変化を楽しみながら、プロダクトを成長させていきたい方、随時募集中です。もし「このようなことを仕事にしたい」など、興味をお持ちいただけましたら、ぜひ採用ページからご応募ください。お待ちしています!
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