
こんにちは。アクセルラボのナカジマです。
以前の記事(前編・後編)では、4つの専門部門と横断型プロダクトチームが連携する、アクセルラボの開発体制の全体像についてご紹介しました。
この体制が定着し、各チームが自律的に動けるようになってきた一方で、プロダクトの規模拡大に伴い、私たちは新たな壁に直面しました。それは、「開発の上流における不確実性のコントロール」です。
今回は、その壁を乗り越えるために私たちが着手した、「テックリード(TL)の役割再定義」と、「AIを組織に組み込んだ新しい開発プロセス」への挑戦についてお話しします。
1. 「作る人」から、実行の「ゲートキーパー」へ
これまでの体制では、テックリード(TL)は「技術的な課題を解決する最高峰のエンジニア」として現場を強力に牽引してきました。しかし、リリース計画の確実性をさらに高めるためには、TLの役割をもう一歩、「実行の責任者(ゲートキーパー)」へとシフトしていく必要がありました。
私たちが再定義したのは、単にコードを書くことではなく、「開発の入口と出口の品質に全責任を持つ」という役割です。
🛡 入口の門番:DoR(Definition of Ready)
仕様が曖昧なまま着手しない。PdMからのインプットを厳格にチェックします。
具体例: 仕様書に「ユースケース・非機能要件・影響範囲」が明記されていない場合は、着手不可と判断し、再度PdMとすり合わせを行います。

✅ 出口の門番:DoD(Definition of Done)
開発側でのテストを完遂し、QAやリリースへ自信を持ってバトンを渡します。
具体例: 開発者自身の手によって、正常系シナリオが自動または手動で再現確認されていることを、QA移行の必須条件としています。
この「基準を下げない」というプライドこそが、チーム全体を守り、着実なデリバリーを実現する鍵になります。

2. AIは、テックリードの思考をブーストする「パートナー」
今回の変革の大きな特徴は、AIをプロセスの中心に置く「AI協調型開発」の実践です。
先日行ったテックリード合宿では、AIを活用した「タスク分解・見積もり」のワークショップを実施しました。ここで重要視したのは、AIに答えを丸投げすることではありません。
「AIによる効率化」+「テックリードのドメイン知識」
AIが生成したタスク案を叩き台に、TLが自らの経験を乗せて「この影響範囲が漏れていないか?」「アクセルラボ特有の仕様はどう考慮すべきか?」と問い直す。 この取り組みにより、現場での「見積もりのブレ」や、後工程での「予期せぬ手戻り」が明確に減少しつつあります。 AIを「思考のパートナー」として乗りこなすことで、技術負債の解消といった重要ミッションの不確実性をコントロールしていく。これが私たちの目指すAI時代の開発スタイルです。

3. パートナーチームとの「フラットな連携」を加速させる
アクセルラボの開発は、社内メンバーだけでなく、多くの開発パートナーの皆様との協力によって成り立っています。私たちは、「どのチームと組んでも、同じ高い品質とスピードで開発できること」を目指しています。
今回策定した「AIを活用した開発プロセス」や「DoR/DoDの基準」は、パートナーチームとのコミュニケーションを円滑にするための「共通言語」でもあります。
テックリードがこのプロセスを主体的に運用し、パートナーチームと膝を突き合わせてリスクや課題を早期に共有し合う。場所や所属が異なっても、同じゴールを見据えて品質責任を共有できる。そんな強固でフラットな連携体制を、最新技術と仕組みによってアップデートし続けていきます。
まとめ:エンジニアの価値を最大化する組織へ
私たちが進めている一連の改革は、すべて「エンジニアが誇りを持って、迷いなく価値創造に集中できる環境」を作るためです。
AIという最新技術を社内ガイドラインに基づき、安全にAIを組み込むことで、仕組みによって品質を担保する。この「AI協調型」のプロセスが浸透することで、アクセルラボの開発組織は、変化の激しいスマートホーム市場において、より強く、よりしなやかに進化していけると考えています。
今後は、このAI協調型プロセスをQAやPdMの役割ともさらに接続し、プロダクト開発のライフサイクル全体を最適化していく予定です。
「技術を仕組みで活かしたい」「AIと共に開発組織をアップデートしたい」という方、ぜひ私たちと一緒に、SpaceCoreの未来を創っていきませんか?
