
こんにちは、プロダクトマネジメントGのJINです!
皆さん、プロジェクト、マネジメントしていますか! 今回は、2025年7月にリリースした自社プロダクト「aliepad(アリーパッド)」の開発プロジェクトを一部具体例として 個人的なPMのあり方、考え方をお話したいと思います。
1. プロジェクト発足の背景
本プロジェクトは、弊社サービスが依存していた外部ツールの提供終了を受け、急遽立ち上げられました。 「サービスの安定供給を止めない」という至上命題のもと、代替サービスをゼロから構築していきました。
しかし、立ちはだかったのは「時間」の壁でした。 プロジェクト発足は2025年2月。しかし、サービス提供開始は2025年7月。 つまり、ハードウェアの選定、設計、開発、QA、運用構築、設置をすべて含めて「実質5ヶ月」しかありませんでした。
新規プロダクトの開発において、これはとても短期間であることが皆様にも容易に伝わるかと思います。 当然社内の一部からは「リスクが高すぎる」「考え直すべきだ」という声も上がりました。
ではどうやって5ヶ月でゴールできたのか…
2. PMの職務ってなんだろう?
まず、今回の主題である”PM"ってなんだ?というところから認識を合わせていきたいと思います。 それぞれの会社によって差はあるかと思いますが、 計画立案、スケジュール管理、各所との調整、リスク管理、ステークホルダーとのコミュニケーション… 皆様もご存知の通り、これらはPMに課せられた大切なお仕事です。
そして、プロジェクトに関わるそれぞれのメンバーはどうしても目の前のものに集中しがちです。 「この機能は絶対に欲しい」「このデザインが気に入らない」などなど… 組織にはレイヤーごとに期待する役目が有り、細部にフォーカスするのは全くもって正しい姿です。
しかし、PMまでもが一緒になってずっと悩んでいては、プロジェクトは破綻しますよね。 (読者の皆様にも一度は似たような経験があるはず…)
PMの役割を全うする上で最も大切なもの、それは、「誰よりも高い視座でプロジェクト全体を見る」ことなのではないかと思います。
3. プロジェクトマネジメントの真髄は「引き算」にある
では、極限状態でプロジェクトを迅速に推し進めるため、PMは何を決定すべきか。 それは「何をするか」を決めるのではありません。
迅速に「何をしないか」を決めることです。
PMとして最も陥りやすい罠は、「あれもこれも必要だ」という足し算の思考です。しかし、リソース(人や時間)が限られている中で足し算をすれば、プロジェクトは確実に破綻します。 全体を俯瞰し、ゴール(=7月サービス開始)を見据えた「引き算」のマネジメントです。
4. 「やるやら」をどう決めるか?
具体的に、どのような基準で「やる・やらない」を仕分けたのか。
① ゴールに影響するか、否か
これが絶対的な「ものさし」でした。 どんなに素晴らしい機能のアイデアが出ても、どんなに修正したい仕様があっても、「サービス開始に支障があるか?」という問いに対して「No」であれば、迷わず「やらない(後回し)」ボックスへ入れました。 「100点満点の製品」ではなく、「期限内にユーザーに価値を届けられる80点のサービス」を目指す勇気を持ったのです。
② 中立的な観点から物事を判断する
意思決定をするのがPMだからといって、全てを身勝手に決めてしまっては誰もついてきてくれませんし、いいモノは作れません。 自身で明確な道筋を立てた上で関係者やメンバーの意見に耳を傾け、その中から最適解を導き出すことが肝要です。
③ 「サンクコスト(埋没費用)」を無視する
人間は、一度かけた時間やお金を惜しんで「もったいないから続ける」という判断をしがちです。「折角ここまでやったから…」は判断材料にしませんでした。 「今この瞬間からゴールを目指す上で、それがベストか?」だけを問い、過去の工数が無駄になろうとも、未来のために「変える」決断を下しました。

5. 「捨てる」ことへの恐怖に打ち勝つ
正直なところ、「やらない」と決めるのは本当に怖いです。 決めたことへのリスクやハレーションの恐怖が常にPMを襲います。
しかし、PMの仕事は「全員を満足させること」ではなく、「プロジェクトを成功に導くこと」です。
今回のプロジェクトで言えば、ゴールは「誰もが満足する最高のプロダクトを作る」ことではなく、 「社内と顧客が満足するサービスを7月に開始する」ことでした。この目的を見失わず、恐怖に打ち勝って「捨てる」決断をし続けたこと。これこそが、このプロジェクトを成功に導いた鍵だったと確信しています。

6. 意思決定の「重み」こそが、仕事の「面白さ」になる
このように、意思決定には常に重い責任とリスクが付きまといます。 「やらない」と決めた機能が必要だったと後から判明するかもしれない。 ツール変更が裏目に出てリリースが遅れるかもしれない。 自分で決めるということは即ち、「失敗したら自分の責任」という逃げ場のないプレッシャーを背負うことでもあります。
しかし、だからこそPMは面白いのです。
誰かが敷いたレールの上を走るのではなく、自分の決断でプロジェクトの運命を変えることができる。 ヒリヒリするようなリスクを背負い、チームを導き、困難なゴールにたどり着いた瞬間の達成感。これは、責任ある決断をした人間にしか味わえない特権でもあります。
リスクの大きさは、そのまま仕事の「やりがい」の大きさに比例します。 「自分が決めたから、このプロジェクトは成功した」 そう胸を張って言える瞬間のために。

7. まとめ
結果として、aliepadはスケジュール通りにリリースされ、目標を大きく上回る受注見込みを獲得することができました。
プロジェクトマネジメントは、思い通りにいかないことの連続です。しかし、PMがプロジェクトに対して俯瞰的視点を持ち、責任とリスクを引き受けて「意思決定」を繰り返せば、どんな無理難題も突破口が見えてきます。
「スケジュールを管理する人」から一歩踏み出し、「プロジェクトの運命を決める意思決定」を楽しむ。それこそがPMという仕事の醍醐味ではないでしょうか。
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